木材、輸入しないという選択。熱帯雨林が劣化

ブラジル産のイペは人気のある材木の一種です。日本でも今でもたくさん売られていて、フローリングやウッドデッキ材として一般の人でも容易に手に入ります。
その他にもアマゾンジャラや、キングウッド、などの耐久性の高い広葉樹が好まれます。殆どアフリカ産に変わっていますがマホガニーも使われてきました。

でも、これ、やめたほうが良いのではないでしょうか。
もう少し強く言いたい・・・輸入をゼロにしてほしいと思います。肉や飼料と同じです。

ブラジルのアマゾンでの開発の最初は、これら価値ある材木の切り出しから始まります。その後、火が放たれ、森林が燃え、そこに牧草地ができ牛が食べ、牛が殺され、次に土地が転売されて、豚や鶏や牛のエサになる大豆やとうもろこしを作ります。
この一番最初の工程である選択的伐採は、熱帯雨林を致命的に破壊することがわかっています。
Sienceに2020年9月に発表された研究*1では、森林が人間の活動により分断され、断片化し、低い植生(下層植生)の火事などにより劣化したブラジルのアマゾンの森林の総面積は、森林破壊された総面積よりも広くなっているというのです。この森林破壊されていないように見える森林の劣化の主要な原因の一つが、選択的伐採です。
高い木がなくなると、自然のバランスは崩れます。劣化の一歩目です。
その他、どんどん奥地に広がる牧草地により森は分断され、枝が這うように森林が消え、この消えた部分が少しづつ広がり、高い木が無いエリアが塊になり、一体の森林が劣化していくなど、様々な要因によるようです。

一部の木材店は、ブラジル政府の計画と許可のもと正規に手に入れているものだから良いとして、イペなどを販売しています。
しかし、違法な森林伐採、新規開拓の多くは、公用の土地で起きているのです。
また先住民の土地であっても、違法な伐採は行われ、政府は犯人を罰していませんし、罰金もまったく徴収できていません。先住民を殺害する事件も多々起きています。
はたして、遠いブラジルなどの地域で起きていることを、企業は保証できるのでしょうか?
あなたが購入することが、悲惨な人権侵害と、悲惨な自然破壊を招いていないと言い切れるでしょうか。

新熱帯区とよばれるアマゾンの上の方で獲られるゴンサロアルベスなどもやめておいたほうが良いでしょう。
アフリカン・マホガニーなど人気ですが、アフリカなどでも同じことが起きている可能性も高いと推察します。広葉樹はどの地域でもとても貴重で希少なのです(もちろん針葉樹も)。
というか、国産などの間伐材をつかえばいいだけの話です。節目のある間伐材などはとても素敵なフローリングになりますよ。
人間そんなに長生きしませんので、毎年ぬかでできたワックスや、屋外であれば柿渋などの害がなく防虫効果もある塗料を塗っておけばちゃんと長く機能します。
未来の地球を壊すというリスクを犯してまで、あなたの満足を高める必要性は全くありません。

さぁ、どこかのおうちでウッドデッキを見かけたら、やわらかく、質問してみてください。
「この木、熱帯雨林を破壊してない?」

そして、次に購入するときは違うものをとすすめてあげてください。

 

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