動物の自然療法

私達は自分の飼っている動物が病気になった時、だれもが出来るかぎりの治療を受けさせてあげたいと願い、毎日の点滴や強制給餌、頻繁の検査や沢山の投薬、さらに危険度の高い手術などたくさんの医療を施してあげることが正しいと信じてきました。

ところが最先端の検査や治療をしたにもかかわらず、動物達は穏やかに生を全うしたとは言い難い経過をたどることが案外多いと思い始めているのではないでしょうか。
近年、ホリスティック医療、自然療法という言葉をよく耳にするようになってきたと感じます。
その背景には、病気を悪と捉えて戦うという考え方から、病気は体が教えてくれる学びの状態と捉えて、穏やかな解決法を選ぶという考え方に時代が変ってきている為だと思います。

 
それでは、自然療法と言われているものをいくつか挙げてみましょう。
漢方、鍼灸、整体、マッサージ、ホメオパシー、氣功、食養、可視光線、音振療法、etc…
自然療法は自然界に存在する薬草や食材、エネルギー、光等を利用して心身の健康に役立てるとても体に優しい治療法です。

また、自然療法は重篤な副作用の心配がなく、特殊な手技を必要としたり未知の反応を引き起こす心配もありません。したがって医療品開発のために必要だと言われている過酷な動物実験を行う必要もありません。なぜならば長い年月をかけて実証されてきた経験的データで十分だからです。

 
人も動物も植物も昆虫もすべての生命体は、その種や個体に適した環境の中で暮らすならば穏やかで健全な日々を過ごせるように出来ています。
しかし、現代の地球という3次元の制約のある世界で生活している限り、気候や環境の変化、食糧事情、感染症の流行、精神的ストレスなどの影響を受けざるをえない為、心身共に健在に暮らして行くことは難しいのです。
心身に異常が生じた時、体はそれを知らせるサインとして下痢や嘔吐、発熱や痛み、疲労感や冷え、緊張や不安など一見好ましくない身体の症状を発現し、体の持ち主である私達や動物達を悩ませ苦しめることをするのです。
しかしよく考えてみるとそれらの症状は、体に起きた好ましくない状況に対して、必要な生体反応を起こしているに過ぎません。体と心に「気づき」を与えてくれているのです。

気付きを与えられた体と心は、様々な問題に対して自ら解決法を考え、それを柔軟に実行し病気を快方へ導いてくれます。
さらにその経験を学び体得することで、その後に起こるかも知れないさらに大きな試練(病気やストレス)に対してもよりスムーズに乗り越えてゆくことが出来るようになることでしょう。
これが自然治癒力のすばらしい点だと思います。

 
自然療法とは、このような試練を乗り越えて行く為に必要なお手伝いに当たるものです。
自然療法を行うことで自然治癒力が十分に発揮できる心身の状態になるというわけです。
中には高齢やターミナルケアの状態になり、もう生命力が衰えてしまい自然治癒力が発揮できないケースもあります。しかしそのような場合でも心身の調和を取ることで、痛みや不安などの状態から解放されて最期まで穏やかな時間を過ごすことが可能なのです。

 
病気の治療法を道にたとえて考えてみました。
現代療法は、不快な症状を消し去り、検査結果の異常値を正し、異常細胞を消滅させ、しかも短時間で確実に目的地にたどり着くことが要求されるため、コンクリートで固めた新幹線の高架や高速道路のようです。
一方、自然療法は、本来体が持っている自然治癒力を発揮させることと心身の調和を目的にしているため、自然豊かな野原や山を巡る様々な道と言うことができるでしょう。
好みの乗り物を使えますし、歩きでも構いません。また目的地はいつでも変更可能です。
ご家族と景色の良いところで道草を食ってもいいんです。急ぎませんから。
景色はどこまでも広がり3次元を超えて天国まで続いているかも知れません。
 

私達は地球に生まれて学びを体験しに来た旅人だと思っています。
目的により、道や乗り物を使い分ければよいのではないでしょうか。
ハイテク、スピードを利用したいときは、そちらを使うことだってできるのです。
しかし、地球本来の美しさ、繋がりを体験したい時は、自然の中を徒歩や自転車やオーダメイドの乗り物でと思うことでしょう。どのような旅をしたいかは自由です。
学びはどんなことであれ魂の成長に役立つものだと思っています。
私達や動物達の魂が成長することは、地球や宇宙も喜んでくれると思います。
 

私達、動物達、植物や昆虫達の生命体は個ではありますが、しかしそれはまた地球という大きな生命体を構成する1つの細胞なのかも知れません。
一緒に暮らしている犬や猫が病気になり苦しんでいる姿を見るとこちらまで苦しくなってしまうこと、ニュースで悲しい記事を目にすると心が痛むこと、美しい景色や音楽や喜びの知らせには心が躍ること、などの共鳴し合う感情は地球に暮らす私達がどこかで繋がっているということを教えてくれているのだと思います。
何らかの原因でその繋がりを感じられなくなってしまった時に、おおきな孤独とエゴに包まれてしまい対立や無関心、争いや放棄が始まるのではないでしょうか?
 

自然療法は、この地球という大家族の繋がりを取り戻す、母なる地球の愛に満ちた療法と思えてなりません。

病気の子に向ける飼い主様の優しい言葉やまなざし、手のぬくもりも、苦しんでいる動物達を安心させ豊かな愛情を感じてもらえる大いなる自然療法の一つだと思います。

筆者

チロとサクラのクリニック
獣医師 渡辺由香

  • 日本大学農獣医学部獣医科卒業
  • 日本ホメオパシー医学会獣医認定医
  • 日本ホモトキシコロジー協会会員
  • マクロビオティック師範
  • オゾン学会会員
  • PRA臨床研究会会員
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