第4章 民主主義とは
「みんなで盛りあがること」が重要
…デモを行うというのはどういうことか、考えてみましょう。デモという言葉は、デモンストレーションのデモですが、デモクラシーのデモでもあり、 … 民衆の力、つまりピープルズ・パワーといった意味です。民衆に力がみなぎっている状態のことです。
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デモに参加することに慣れている人にはよくわかることだと思うけれど、まだまだ参加したことのない人の方が圧倒的に多く、このかんじを理解できるかどうかは、実体験にかかっていると思う。デモに関してはいろんな意見があるし、思いがあるが、わたしとしては、基本的に、楽しいし、いいものだと思う。誰か仲のいい人に会いに行く、気分転換に大きい声を路上で叫んですっきりしたい、というような感覚もある。
楽しむ、盛り上がる、というのは不謹慎だと思われる場合もある。真面目にやるべきだ、という考えもある。それもわかる。しかし、デモは人数が多いほうが良い。目立つほうが良い。「いろんな人」がいろいろいる方が良い。元気なかんじがいい。そういう状態だと支持されやすく、応援、参加されやすいからである。
デモに限らず、アクションやら企画にはこういう要素がとても大切だと思う。ARCのビーガンメンズ総選挙、などその好例で、ほんとうに「盛り上がった」。そして盛り上がりは広がりやすい。
あの選挙がきっかけで、アニマルライツやヴィーガンを知るきっかけとなった人も多いことだろうと思う。しかも、前向きに。ピープルズ・パワーがサイト全体にみなぎっていた。
運動というと、セクト、内ゲバ、警官隊と衝突、などの古いイメージを持っている人もまだまだ多い。先日、デモで「娘がデモに出るというので心配して付いてきた」という男性がいた。
運動には分裂がつきものだし、仲間割れもある。なかなか一緒にやれないこと、賛同を得られないこともある。しかし、ときどき、めちゃめちゃ盛り上がることがある。それでいいんだ、とわたしは思っている。
だから1回デモに出てつまんなかった、嫌な思いをした、と言う人も、まあ、懲りずにまた参加してみてください。今度は楽しいかもしれないよ。
文責:猫家知恵蔵
著書「Veganという生き方」「生きルーム」
http://mind-k.com/book/