あらすじ
子豚のベイブは、ある近代的な養豚場で生まれた、平均的な子豚だった。彼は幼い頃に母親から引き離され、とある農村で行われた「子豚の体重当てコンテスト」の景品として、無口で実直な老農場主アーサー・ホゲットに貰われる。
農場には、大勢の羊たちや、かつて牧羊犬コンテスト直前に流れに取り残された羊を助けようとして体を壊してしまいすっかりひねくれてしまった牧羊犬のレックス、そのパートナーで情の深い牧羊犬フライ、アヒルでやかまし屋のフェルディナンド、意地悪で自分本位な猫のダッチェスなど様々な動物が生活していた。
当初アーサーは子豚であるベイブを農場で飼い始め、やがては丸々と太らせたらさばいて、ソーセージやベーコンなどにして美味しく頂くことを考えていた。一方のベイブはその思惑など知らず、母親から引き離された寂しさを募らせていた。そんなベイブを哀れに思ったフライは「ここに慣れるまで」と、自分の子供と同じようにベイブの面倒をみる。いつしかベイブもフライを「ママ」と呼ぶようになり、フライに付いて回るうちに牧羊犬の仕事に興味を持ち始めフライの真似事をしだす。…
ウィキペディアより
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人間の主役、物静かな農場の男を演じるジェームズ・クロムウェル氏がベジタリアンだということは、このサイトにいらっしゃるみなさんはもうご存じだと思う。わたしはこの映画を何も知らずに見て、そのことはあとで知った。しかし、クロムウェル氏演じる寡黙な男アーサーに、最初から圧倒的な好感を持った。日本で言うなら高倉健さんみたいなかんじ。わたしはよく話す饒舌なタイプも好きだが、その対極をなす、沈黙ですべてを体現しているような存在にもとても魅かれる。
アーサーのせりふはあまりない。妻とも、訪ねてくるこどもたちや孫たちともあまり話していない。自分の世界観を持ち、自分の仕事に集中している、そんなタイプだ。そんな男気あふれるアーサーと、かわいいピンクのこぶた「ベイブ」の組み合わせが絶妙で、見ているわたしたちを優しい気持ちにさせる。落ち込んでいるベイブを励ますためにダンスを踊るアーサー。何度見ても目頭が熱くなるシーンだ。
「牧羊犬」の仕事に興味を持つベイブ。コンテストにまで出場するベイブ。子ブタが登場して、笑い転げる観衆。黙っているアーサー。彼をじっと見つめ返し、走り出すベイブ。
動物たちがたくさん出てきて楽しい映画です。世界中の子ブタに祝福を。だって彼らは、食べられるために生まれてきたんじゃない。
猫家知恵蔵
猫家知恵蔵ブログ
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著書「Veganという生き方」「生きルーム」
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