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…人間は少しだけ、特別です。でも、だからといって他の生物に何をしてもいいということにはなりません。自分の中の声を聴き取ろうとすれば、きっと聞こえてくるに違いありません、「お前がそんなに複雑で優れた魂をもっているのは、他人だけではなく、他の生物にもできる限り気遣いをすることができるように、そうなっているんだよ」と。
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動物を人間と同等、あるいはそれ以上の存在としてみなす考え方は、人類史上ずっとあった、ということがよくわかる1冊です。生き物を苦しめるべきではない、とする考え方は人類の歴史とともにずっとあり、その流れをわたしたちが引き継いでいるのだ、と理解できます。
多くの宗教家、哲学者、学者、と呼ばれる人たちは動物たちのことを多く語っています。しかし、それらはこのような本でも読まない限り、あまり知られることはありません。人間中心の社会においては、人間以外について語られたものは注目されないか、無視されてきたのです。
どうすれば、人間や人間の「利益」になる動物以外の動物たちのことが多くの人の関心事になるか。そのことを考えて行くには、非常に参考になる1冊です。図書館などにリクエストされることをお勧めします。
文章:猫家知恵蔵
猫家知恵蔵ブログ
著書「Veganという生き方」「生きルーム」
http://mind-k.com/book/