完璧でなくても、できるだけ動物性素材を避けるという人が増えています。
アパレルメーカーも、完全なアニマルフリーを実現するブランドもありますし、動物性素材を避けたり、より暴力性の少ない素材に変換している企業も増えてきました。
衣類に使われる動物性素材、どんなものがあるのでしょうか。
1:毛皮(リアルファー)
コートのフードや袖口についているふわふわした毛皮は、動物を春に産ませ、数ヶ月狭いケージで飼育し、6ヶ月~10ヶ月したころに殺して剥がしたものです。
ウサギやキツネ、狸だけでなく犬や猫も含め、日本の消費のために年間167万頭*の動物たちが苦しんでいます。
日本が毛皮製品を多く輸入する中国では生きたまま剥がしたり、何度も殴打して殺すなど悲惨な現状であることが多数の調査で明らかにされてきました。
中国だけではありません。欧米でまだ飼育が禁止されていない国々での飼育状況はとても悲惨。足や尻尾がもげていたり、脳みそや肉がむき出しになっていたり、共食いをしていたり、激しい常同行動を繰り返していたり・・・
多くの企業がFUR FREE宣言をしています。
Photo:Otwarte Klatki
2:フェザー・ダウン
水鳥の羽毛であるフェザーとダウン、2種類の採取方法があります。
生きたまま毛をむしりとる方法=ライブプラッキングは、ガチョウを飼育し柔らかいダウンを手でむしりとり、6~7週間後に再び生えてきたらまたむしりとります。毛をむしり取られる間、鳥の血糖値が2倍に跳ね上がります。
殺した後に毛をむしりとる方法=マシーンプラッキングは食用に殺した水鳥から羽を機械でむしりとる方法ですが、強制給餌という工程の残酷さから世界的に生産禁止が進むフォアグラにされるカモやガチョウや、北京ダックのために強制給餌をされ苦しんだカモが多く使われています。
暴力性のないフェザーやダウンを手に入れることは難しいと言われています。
Photo:PETA
3:ウール
ウールは刈り取るだけだから良い、と思っていませんか?
たくさんのウールを採るために、羊たちは皮膚の面積を増やす品種改悪がされてきました。
メリノ種はシワが深く臀部・陰部に糞が付着しやすく、そこにウジ虫がわき、皮膚を食い破られて死ぬことがあります。それを防止するためにウジ虫が湧きやすい部分の皮膚と肉を剥がすミュールジングが行われます。これはイギリスやニュージランドでは禁止されています。
どの種類であっても、最後は肉用に殺されます。
Photo:PETA
4:アンゴラ
アンゴラはその90%が中国で生産されています。
ウサギの扱いは実に荒っぽく、四肢を縛って固定し、全身の毛を手でむしりとる方法と、ハサミで刈り上げる方法があります。
むしりとる方法は声帯を持たないうさぎがのどを震わせて悲鳴を上げるほど痛みを伴います。毛をむしり取られて剥き出しになった皮膚は真っ赤に腫れ上がり、ショック状態から食べる事も飲むこともできなくなるほどです。衰弱したウサギは不衛生な金属のケージの入れられ、毛が再び生えると同じ工程が繰り返されます。
調査映像が公開されたことにより、複数の良識のある企業がアンゴラの取り扱いをやめました。
Photo:PETA
5:レザー(皮革)
レザーは食肉の副産物、そう思っている人も多いと思います。
しかし、実際には1頭の死体から出る利益の10%~25%を占め、とても利益率の良い部位であり、決して副産物ではありません。
工場畜産で苦しんだ牛や豚、羊などの皮が使われています。
またクロコダイルやオーストリッチ(ダチョウ)の革の生産もすでに工場畜産化しており、その殺害方法には福祉は全くありません。
動物たちがかわいそうなだけではなくなってきました。
人権を守りたい、環境を守りたい、そう思う人々にとっても、アニマルフリーファッションは解決方法になりえます。
6:毛皮の公害
毛皮や皮を、人が身につけられるように加工するためには、ホルムアルデヒドやクロミウムが使われます。これらは発がん性物質です。
中国ではこれらの物質や染色に使われる化学物質が下水や河川、土壌や地下水を汚染し、地域の飲水や食べ物も汚染していきます。毛皮加工を行う地域では’がんの村’が発生、地域住民の健康被害、がんの発生が広がっています。大きな産業である毛皮産業を今でもまだ中国政府は擁護していますが、問題は隠すことができないほど大きくなってきています。
※がんの村の主要原因の一つが皮革・毛皮産業です。
7:毒性のある毛皮
毛皮のなめし工程で使われる物質が、商品に残っていることが多々あります。東京都のホルムアルデヒド調査では安価な髪飾り12点の内7点からホルムアルデヒドが検出、5点は基準値を大きく上回りました。
EU諸国での調査ではホルムアルデヒドだけでなく、幼児用の衣類から六価クロム(呼吸器系のがん、肺がん、消化器系がん、皮膚炎、潰瘍を引き起こす)が検出されています。
洋服は一番肌に近いところに身につけるもの。
そこに六価クロムやホルムアルデヒドがくっついているなんて、恐怖です。
8:革の鞣しによる健康被害
インド、バングラディッシュ、中国などでは、皮革のなめし工場の労働及びその排水の影響により、癌や視覚障害、皮膚の変色、精神疾患などが起こっています。
インド北部のカンプールではなめし工場からの排水のたった20%しか処理されておらず、河川や土壌が汚染されています。そしてその水はガンジス川に流れ込んでいます。
みんながハッピーになるファッションがこれからのおしゃれ
動物にも、人にも、地球にも、できるだけ負担を掛けたくない。
だからアニマルフリーファッションを選ぶのです。
トライしてみませんか?
特別なお店に逝く必要はありません。
デパートや通販で、なんの素材で出来ているのかチェックして、買えば良いだけなのです。
そう、多くの企業がすでに動物性素材ではない素材で、素敵なデザインの服を用意してくれています。
お買い物もおしゃれも楽しみながら、エシカルな行動ができる時代になったのですね。