秋田昌美(Merzbow)

日本が世界に誇るノイズ・ミュージシャン。
秋田昌美氏はストレートエッジでヴィーガンで積極的なアニマルライツ支持者だ。
ヴィーガンになったのは2003年。

2014のインタビューで、彼は次のように答えている。
『シュルレアリスムでもバタイユに一時心酔していましたけど、動物供犠(くぎ)だとか闘牛だとか、そういうものが出てくるせいで彼の思想は今は完全に受け入れられませんね。動物の権利を侵害しているものは全てダメだっていうことになるから。僕の中ではアニマルライツが思想を判断する際の優先順位の一番目ですね。』
彼の動物への思いは強い。
その強さはある意味繊細さを感じさせるほどだ。

秋田氏はMerzbowのオフィシャルサイトにこう書いている。

「動物たちは人間により、様々な目的で殺されています。動物実験で殺され、食肉用に殺され、毛皮を剥ぐために殺されています。
動物の最大の敵は人間であると言えます。しかし、動物たちは人間に抗議するでしょうか。復讐するでしょうか。
彼らはそのようなことをしようともしないし、またその能力もありません。」
彼の言葉からは動物への深い憐れみを感じる。
その同情が彼をただ黙っているのではなく、行動へと突き動かしている。

「私は音楽家として、自分の創作活動を通じ自分がアニマルライツやベジタリアニズムの提唱者であることを公言していきたいと望んでいます。」

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ノイズミュージックとは文字通りノイズだ。
はまってしまうと「脳みそがぶっ飛んでしまう」かんじと言えばいいだろうか。
「音楽」の要素である決まったメロディやリズムがない。型がなく先が予測できない音楽。それがノイズだ。
そのためノイズと言っても幅が広い。
秋田氏の作品には、余計なものが徹底してそぎ落とされた、滑らかで硬い質感がある。
美しさを感じさせるノイズだ。

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