幼い頃から動物が大好きで、あらゆる方法で積極的に動物と関わってきた。
(飼育係、動物園や水族館訪問、イルカ類の調教、乳牛飼育など)
その経験から、私は動物の感受性の豊かさや美しさを知っていると自負していた。
だからこそ調教師や家畜飼育をやめた。正確には、やっていられなくなったのだ。
‘動物を尊重する動物との関わり方’を求めると同時に「アフリカの野生動物を知りたい」という幼い頃からの夢を実現することを決めた。
テレビでよく観るサバンナ、セレンゲティ国立公園に到着して初めて出会った野生動物はキリンだった。
四輪駆動の移動音を気にも留めずアカシアの葉を食べ続けていた。
その存在感に圧倒され、私はただ黙って唾を飲み込み見つめるだけだった。
その後シマウマやヌー、ガゼル、ダチョウ、サル、ゾウ、野鳥、ライオン、チーター、バッファロー、イノシシ等々・・・。ここで挙げきらないほどの野生動物と出会った。
旅を続けるうちに野生動物達の絶対的な共通点をみつけた。
それは、体の大きさに関わらず光り輝いているのだ。
嘘だと思うかも知れない。でも、本当に輝いていた。
彼らが常に命の危機を感じているからなのだろうか?
彼らが雄大な自然と一体となって生きているからなのだろうか?
ただ、今の私に分かるのは彼らが「生きていて、活きている」と言うことだ。
少しでも多くの人にこの体験を、事実を伝えたくて写真をたくさん撮ってきたが、
これでは伝わらない。(でも、少しでも伝えたいので見て頂きたい)
彼らの圧倒的な存在感と眩しいほどの輝きは、今まで訪問した動物園などでは決して観ることはなかった。
「野生動物」を知り、本来の生きる場所以外で無理矢理生かされている動物たちが傷ついているのは一目瞭然だった。
決して創ることのできない「彼らの輝き」を奪った姿を見て、動物の美しさを知っていると自負していた自分の無知さと共にひたすら感動し圧倒された旅となった。
つづく
文、写真:平田祥子