本書は「アニマルライツだけの本を翻訳する」井上太一氏の7冊目になる。
サブタイトル「その裏側で起こっている不都合な真実」のとおり、もと動物実験者により動物実験の実態、その時の彼の身上が赤裸々に語られている。
「ラットの顔をガラス管ごしに固定したまま、わたしはその管のとがった先端を眼がしらにねじ込んだ。すぐに血がしたたり管を弾き飛ばすが、そうなったら私はもう一本の管を彼に差し込むことになる。十分な血液を採取出来たら次のラットをつかんで同じことをする。これでラットが失明することはないとの話だったが本当のところはわからない。いずれにせよアルビノのラットは視力が非常に弱い。いつの頃からか、わたしはラットたちがこの拷問に慣れたはずだと思い込んだ。これは一日に一度は行うのだから、と。」
現在はヴィーガンである著者のスラッシャー氏の言葉は、いかにして残酷な行為に人は慣れてしまうのか、暴力も事業化されれば日常になってしまうことのおそろしさを私たちに語りかける。
著者のスラッシャー氏が動物実験施設にいたのは昔の話だが、今も状況はあまり変わっていない。相変わらず多くの動物が実験に使われ苦しみ殺され、その行為に税金さえ使われている。
外部に明かされることのない動物実験の実態が描かれた本書は、闇に葬られる声なき動物たちの声と言える。
本書を読み、かれらの声に耳を傾けた人は、動物実験を正当化できる理由がないことに気がつくだろう。
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