イダヒロユキ著 発行元:アットワークス 2015年
69 ページ …「食におけるベジタリアン的な視点」は、実はあらゆる消費においても根源的に自分のグローバル化された消費主義への加担を考えるという意味で、 求められている。モノはあふれているのに、経済成長のためにもっと捨ててもっと買え、と煽られる社会となっていることに、私たちはどう向かうのか。(引用 ここまで)
69 ページ …「食におけるベジタリアン的な視点」は、実はあらゆる消費においても根源的に自分のグローバル化された消費主義への加担を考えるという意味で、 求められている。モノはあふれているのに、経済成長のためにもっと捨ててもっと買え、と煽られる社会となっていることに、私たちはどう向かうのか。(引用 ここまで)
動物たちを搾取し、苦しめ、殺していること、実験 に利用してまで「新商品」を開発しつづけ、需要を無理やり作らされ、買わされ続けていること。たくさんいろいろなものが安価に売ってあり、店頭にもネット にもあり、それが「どこでどうやって作られたか」など知る由もなく、値段の手ごろさやイメージだけで買ってきたということ。生活において、何が必要でそう でないか、きちんと考えることもなく、「ひまだから」買い物に行き、なんとなくお店に入り、要りもしないものを買う…。部屋は片付かず、どんどんモノが増 え、狭い部屋がどんどん狭くなり、わたしたちの自由がどんどん蝕まれていく。
ビーガンになったことで、わたしはこの悪循環から脱することができました。何か必要なものがあるとすれば、
①もう持っているのではないか。
②あげたりもらったり、フリマやリサイクルショップを利用できるのではないか。
③そもそもほんとうに「買う」必要があるのか。
④ネットなどで調べて「作る」ことができるのではないか。
などを考え、やっぱり買う必要があるのならばそれで、
①企業ポリシーはどうか。経営者の考え方はどうだろうか。
②デパートやショッピングセンターでなく、地元で、小さくてもがんばっているお店が良い。
③値段は適性か。製造した人々や、お店で働く労働者を搾取していないか。
④店舗の雰囲気はどうか。スタッフの人がへとへとになっているようなところはやめよう。
な どを、一晩にわたって考えます。リップバームは要るな…歯磨き粉もどうしても要るな…と、結論が出て、どこにいこうか考え抜いてやっぱりLUSHだな、と いうことで買いました。シャンプーを小麦粉で、歯磨き粉を塩で代用してもよかったんだけど、やっぱり、どうしても買いたかったのです。
ビーガンというのは、ただ単に動物性のものを食べないとか着ないなどという表面的なことではなく、そんなことでは決してなく、それは生き方、買い方、暮ら し方、選び方、のすべてであるので、考えたり調べたりすることがとても増えます。そういうことのあれこれがわたし(たち)には求められているのではないで しょうか。おかげで持ち物も減り、無駄遣いも減り、体重も減り、しなくていいお付き合いも減り、ストレスも減ります。そう、「引き算」の生き方なのです。
わたしはいろいろなNPOやボランティア団体を支持しているので、自分の持ち物をフリマやリサイクルショップで売ったりして、資金を作ります。最近はテレ ビやらギターやら、大きいものをいくつか売りました。保護猫の頭数が増えたので、モノは少しでも減らしておきたいから。そして売り上げは、この本の著者で あるイダヒロユキ氏が所属する関西の非正規労働者組合「ユニオンぼちぼち」にカンパしました。この本にはユニオンぼちぼちがいかに素敵な労働組合であるか もたくさん書かれています。労働者を使い捨てる文化は、社会全体を蝕んでいきます。それに「抵抗」する手段とは。多くの人に読んでいただきたい一冊です。
文責:猫家知恵蔵(著書:「Veganという生き方」)